ある日の牛丼屋 -亜美 真美-

作:426

「隊長!前方右に食料補給基地発見、全速力で入庫されたしでアリマス!」
「隊長!真美も、亜美隊員と同意見でアリマス、ラジャー!」
「おまえたち、また変な言葉遣いを覚えてきたな…ま、言いたい事はわかるが」
「兄ちゃん、ゴーゴー!亜美たち、お腹チョーはらぺこなんだもーん」
「ねーねーねー…入ろ、入ろー!牛丼ひとすじ300年ー♪」
「はやいのうまいのやっすいのー♪スコーン!」
「くぅ〜〜っ」

真美が、何処からともなく取り出したピコハンマーで、亜美の頭を叩く。
……っていうかお前達、それいつのネタだよ!?

「ね。兄ちゃん……2人前、食べられる?全部で4人分注文すれば、
ヨッシー牛のミニ携帯ストラップがもらえるんだよー♪」
(……牛丼屋に入りたがった理由はそれか)
「亜美、この【あぶり叉焼丼】に大決定ー。でも…【サイコロステーキ丼】も美味しそう…」
「あ。それ真美も頼みたかった…別々に頼んで、あとで半分こしよ!」
「賛成ー、兄ちゃんは【キムチ牛丼】と【キーマカレー】ね。皆で分けて、全種類制覇しちゃおー」
「しちゃおー!」
(……それはやめてくれ、恥ずかしいから…)

そして食後、店を出て駐車場……

「ぷはー…満腹だー…。もう喰えないぞ」
「ありがと、兄ちゃんー。携帯ストラップゲットしたよー♪」
「よかったな……じゃ、帰るか。夜も遅いしな」
「うん、明日は真美の番ね」
「はぁ!?」
「だって、ストラップ貰ったの、亜美だもん…それとも兄ちゃん、真美にはくれないの…?」

…うお、卑怯な。あの必殺技、【上目遣いでうるうるしておねがいのポーズ】を
繰り出してくるとは……かつて全国の子煩悩なお父さんのお財布を大減衰に追いやった、
伝説の技で、現在その流派は潰え、もはや使い手はいないと思っていたが…
侮りがたし、亜美、真美。

…それから2日ばかり、俺と社長の牛丼屋通いが続いた。
おかげでここ最近、牛丼の匂いを嗅ぐと、気持ち悪く感じるようになったぞ。
これから給料前に腹が減ったら、どうしようかなぁ……

双海亜美の注文:あぶり叉焼丼並、味噌汁
双海真美の注文:サイコロステーキ丼並、たまご 



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