あるプロデューサーについて

作:名無し

あるプロデューサーについて


天海春香

「よくわからない人でした
 優柔不断っていうんでしょうか、あれ意味違うかな
 仕事に対する熱意〜みたいなものがなかったんです
 お話しもなかなかしてくれませんでしたし、最後までよくわからない人でしたね
 でも親切な人でした、お人好し…って言ったら失礼かな、とりあえずそんな感じの人でした」

高槻やよい

「とっても面白い人なんです
 ノリが良くて、一人でこっそりレッスンしてたら、一緒にやってくれたり
 それにお掃除とかも手伝ってくれましたっ
 あと歌も上手で、よく一緒に歌ったりしてました」

秋月律子

「あー…あの人ですか、ああいうタイプの人間って最近よく話題になってますけどねぇ
 無気力で判断力がなくて、おまけにスキルも経験も何にもなし
 あ、いや、確かに誰でも初めはそうなんですよ、新入社員ってそういうものですから
 でもあの人はそれなりに歳喰ってましたし、せめて社会経験くらいはあってもいいじゃないですか
 なのにそれすらもなし、しかも学習しないからいつまでたっても怒られっぱなしで
 あれにプロデュースされてた子は悲惨ですねぇぇ…
 ま、すぐに代わりにプロデューサーに引き継がれて、今ブレイクしちゃってますけどね、その子」

如月千早

「印象的でしたので…よく覚えています
 歌唱力がありました、本人はトレーニングや勉強はしていないと言っていましたので
 恐らく生まれつきの素質だと思いますが…
 歌い方について聞いた時に、技術よりも演技力、と言っていたのを覚えています
 …他には、とくに……それ以外では接点がありませんでしたから」

水瀬伊織

「ああ、あいつの事ね、あまりにダメダメ君だったからよぉく覚えてるわよ
 言うこと聞いてくれたから、よく使いっ走りにしちゃってたんだけど
 あそこまで救いようのないダメダメ君は、むしろ近年希に見る国宝級って感じだったわ
 あまりのダメさ加減に、うちで雇って助けてあげたいくらいだったわ
 え?そうねぇ…あとは、とりあえず気が利く奴だったわ」 


萩原雪歩

「あの人…どうして辞めちゃったんでしょうね…
 私が落ち込んでると、いつも優しく話しかけてくれました
 初対面で男性恐怖症のこと話していたので、その事にも気を遣って接してくださって
 お仕事についてですか?えっと…いつも怒られていました
 それで、あの人もよく落ち込んでて…
 私と同じような人なのかなって、ちょっと親近感を感じたりしてました」

音無小鳥

「本当は、私達が面倒を見なければいけなかったんだと思います…
 あの方は勿論、うちに来るプロデューサーのほとんどは新人なんです
 というか、うちでは経験者を雇えるほどの余裕はありませんから…
 だからちゃんと指導しなければいけないのですが……
 社長は、キミの思うようにやってくれたまえ、って言ってるばかりで
 ホント破天荒な人なんですよ社長って、私も振り回されてばっかりで…って、話がずれましたね
 あの方は新人でしたが、それ以上に仕事慣れっていうものがなかったんです
 言い方悪くなりますけど、要領とかそういうのがなかったんですよね
 本当なら上司にあたる人が、そういうのを注意して教育するんですけど
 うちはそんな余裕ありませんし…ですから、簡単な事は私が教えたりしてたんですけど
 もうダメだーって、凄いネガティブされちゃって…それで、結局辞められちゃいました
 いえ、良い方でしたよ、ただ責任感が強すぎたんでしょうね…」

高木社長

「彼には才能があったんだ
 夢を描く才能、そしてそれを作り出す才能
 アイドルというのはファン達に夢そのものを与える存在だ
 そしてそれは作り手にも同じ事、作り手は夢そのものを作らなくてはいけない
 彼はその夢を確かに持っていたんだ
 私は確信した、彼が開花すれば素晴らしいプロデューサーになると
 だが、逃げられてしまった
 この業界はそんな理想論は通用しない、アイドルを使う側には数字しか求められない
 彼はまだ若い、社会が見えずに混乱し、迷走を繰り返し、立ち往生している
 そんな彼に、いきなりこの仕事は厳しかったのかも知れないな
 しかし私はまだ諦めていない
 彼が成長し、立派な社会人になった時、再びこの仕事に戻ってくるだろう
 彼の理想には常にアイドルがつきまとう、彼はアイドルから逃げられないのさ
 そして、私もな」 



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