亜美の悩み

作:ファル

ここは765プロダクション
いつものように事務所のドアを開ける。そこには…

あずさ 「おはようございまーす」

P 「おっはよっ、あずさ」

三浦あずさ…現在Pがプロデュースしているアイドル

あずさ 「今日は何をしましょうか」

P 「ちょっと待ってて、今来ると思うから」

その時…

亜美 「おはよー、兄ちゃん!」

双海亜美…現在Pがプロデュースしているアイドル
ちなみにデュオユニット

あずさ 「うふふ、亜美ちゃんは元気ね」

亜美 「…」

P 「どうした?、亜美」

亜美 「い、いやなんでもないよ!」

P 「ならいいんだけど、じゃ、今日の仕事行くか」

あずさ、亜美 「はーい」

そしていつものように仕事を終えた二人は
事務所に戻ってきた
しかしどうも亜美の様子がおかしい
昼間も移動のバスの中でぼーっとしていたし
何かあったのだろうか 


午後六時・事務所内

Pは今社長のところに報告に行っている

亜美 「…」

あずさ 「どうしたの?亜美ちゃん、朝から変よ」

亜美 「…」

あずさ 「亜美ちゃん!」

亜美 「うわあっ!」

さすがに今まで何か考えていたのだろうか
少し驚いた様子である

あずさ 「何か悩みでもあるの?」

珍しく真剣な表情になるあずさ

亜美 「実は…私アイドル辞めるかも知れないんです」

あずさ 「どうして?」

驚いたように聞き返す

亜美 「私、今小学生でまだ義務教育なんですよ」

亜美 「アイドルのほうもやってるから成績が良くなくて…」

あずさ 「それでどうして悩むの?」

亜美 「それで…お母さんが成績上がらなかったらアイドル辞めさせるって」

亜美は目に涙をいっぱい浮かべて話している

亜美 「それでアイドル辞めさせられたら真美もアイドル辞めさせられて
真美にも迷惑がかかって…うっ…うううっ」 


亜美 「うわあああぁぁぁぁぁっ!」

亜美は大声を上げて泣き出してしまった
そんな亜美をあずさはやさしく抱きしめた

あずさ 「亜美ちゃん…そこまで」

亜美 「ううっ…ひっく…」

あずさ 「(がんばってね!、亜美ちゃん!)」

同日・数分後・事務所内

P 「ごめん、遅くまでかかっちゃって…」

あずさ 「静かに、プロデューサーさん」

Pがみると亜美があずさの膝枕で眠っていた

あずさ 「さっきまで泣いてたんです、この子」

P 「どうして?」

あずさ 「実は…」

あずさは亜美から聞かされたことをPに話した

P 「そんな事が」

あずさ 「かなり思い詰めてたみたいで」

P 「じゃあ、亜美はここからはずして…」

あずさ 「待ってください!」

いきなりの大声にPは驚いてしまった

あずさ 「亜美ちゃんに賭けてみましょう」

P 「はい?」

あずさ 「私たちが何かしたって何も変わりません」

あずさ 「だけど、自分で自分を変えさせれば亜美ちゃんは変わります」

あまりの事にPは言葉を失ったがすぐに持ち直して

P 「分かったそれで行こう」

あずさ 「はい!」

数ヵ月後、亜美は無事に成績を上げて
アイドルを続けられることになって
亜美の悩みはなくなった
しかしこの一連の出来事は
きっと亜美一人では
どうすることも出来なかっただろう
理由は簡単で亜美が悩みを一人で抱え込んでいたからだ
一人では誰も自分のことを理解してくれない
しかし理解者を作ることによって
亜美は自分のことを理解してくれる
そんな気持ちがあったからこそ乗り越えられた
また亜美の悩みを聞き入れたあずさも
亜美にとってはよき理解者だったのかもしれない…
互いに悩みを理解していたからこそこういったことが
出来たのかもしれない… 



上へ

inserted by FC2 system