突然…です

作:ファル

7月16日、午前9時38分
事務所

ここは765プロ
アイドルが所属する事務所である
そんな事務所にアイドルをプロデュースしているP(プロデューサー)
がやって来た

P 「おはようございます、社長」

社長 「おはよう、まだ君がプロデュースしているアイドルは来ていないが」

P 「そうですか…」

社長 「まあ、そのうち来るだろう。それまで待機していてくれ」

同日、午前9時50分
事務所

トントン
事務所のドアがノックされ、入ってきたのは…

P 「おはようございます」

あずさ 「おはようございま〜す、あれ、やよいちゃんは、まだ来てないんですか?」

P 「もう少しで来ると思いますよ」

トントン
再びドアがノックされて入ってきたのは…

やよい 「おはようこざいます」

P 「ああ、おはよう、やよい」

あずさ 「おはよう、やよいちゃん」

やよい 「あずささん、おはようございます」

P 「よーし、二人揃った所で今日のスケジュールを発表するぞ」

〜〜〜今日の予定〜〜〜
午前:レッスン(ボイスレッスン)
午後:ライブ(ライブハウス)

〜〜〜〜〜〜

P 「じゃ、行こうか」

そして三人はレッスンへ向かった
レッスンは何事もなく終了し
Pたちはライブハウスに向かった

同日 午後2時15分
ライブハウス

やよい 「うううう…緊張してきました」

あずさ 「大丈夫よ、自分の力を信じるの」

P 「じゃ、いよいよだ、二人ともがんばって!」

二人 「はい!」

そしてライブは始まった
心配されていたアクシデントもなく
無事終了した

同日 午後5時48分
ライブハウス

P 「お疲れ様」

あずさ 「はぁ…疲れましたねぇ」

やよい 「はい…とても…とても…」

やよい 「うううう…」

バタッ

P 「やよい!」

あずさ 「やよいちゃん!」

やよいは倒れてしまった
Pはすぐに救急車を呼んだ
そしてやよいは来た救急車に
乗せられ運ばれていった
救急車にはあずさが同乗した 


同日 午後6時8分
841号病室

あずさ 「やよいちゃん…」

医師からは過労が原因だろうといわれた
Pは社長に報告に行っているのでまだ来てない

やよい 「う、うーん」

あずさ 「あっ、気がついた?」

やよい 「ここは?」

あずさ 「病院よ」

やよい 「ああ、そうか、倒れちゃったんですね…私、はぁ…」

あずさ 「どうしたの?」

やよい 「私ってアイドルになるだけの力があるんでしょうか?」

あずさ 「いきなり何言い出すの!」

やよい 「だって、いくら運動しても体力はつかなくて倒れるし」

やよい 「歌だってうまいとは言えないし…」

やよい 「取り柄と言えばこの明るさぐらい…ううっ」

やよいは今にも泣き出しそうな顔になっていた

あずさ 「やよいちゃん」

やよい 「何ですか?」

あずさ 「少し勘違いしてない?」

やよい 「えっ?、どういうことですか?」

あずさ 「アイドルは歌やダンスだけじゃないのよ」

あずさ 「自分をかわいく見せるための表現力…ビジュアルも必要なのよ」

あずさ 「やよいちゃんはその表現力が高いと思うの」

あずさ 「もちろん、歌やダンスもレッスンしてうまくならないといけないけど」

あずさ 「今のところは、そのビジュアルを武器にして頑張って行けばいいんじゃないの?」

やよい 「あずささん…」

あずさ 「何?」

やよい 「ありがとうございます」

やよい 「そうですよね、アイドルは歌やダンスだけじゃないんですね」

やよい 「それなのに私技術的なことばかり考えてて…ごめんなさい」

あずさ 「あら、何で謝るの?」

やよい 「だって私が倒れたのってそういうことが重なったからじゃないですか、だからあずささんに迷惑がかかって…」

あずさ 「それは違うわ」

やよい 「えっ?」

あずさ 「私だってトップアイドルになりたい、それはあなたと同じなの」

あずさ 「でも、やよいちゃんはそのために自主的に何かレッスンしてたんでしょう、自分が未熟だから」

やよい 「そうですけど…」

あずさ 「そういった努力をする事が私はえらいと思うの」

あずさ 「だから私は、やよいちゃんを責めたり、怒ったりする気はないの」

あずさ 「だから謝る必要なんてないのよ」

やよい 「あずささん…ううっ」

思わず泣きそうになっているやよいを
あずさはそっと抱きしめた…

やよい 「ううっ…くずっ…ぐうううっ…」

あずさの胸の中で泣きじゃくっているやよい
その涙にはこれから頑張っていこうという気持ちと
あずさに対するお詫びの気持ちが込められていたのだろう 



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