Explosion ver'あずさ

作:522

 ある日のことである。
 夕方俺は、いつもより早めに今日の報告書を作成していた。今日はここ―勿論、我らが
765プロダクションのことだ―に所属しているアイドルの大半がオフなせいである。
今日は、唯一仕事の入っていた人―三浦あずささんだ―の帰りを待つばかりである。
 
書くこともあまりなくて、ほどなくして報告書が出来上がる。一通り仕事を終えた俺は、
徒然なるままに、ヘッドホンをつけて、音楽を聞きながら冥王星あたりへと旅立つ・・・・・・もとい、ぼーっとし始めたのだが。
 
「やっと、お仕事終わりました〜。それにしても、遅くなってしまいましたね〜」
ビルの765プロダクションが入っているフロア。やや場違いな感じも受ける優美な女性が
奥の方へと入っていく。
「珍しく、全く道に迷わずに帰ってこられたんですが、誰もいらっしゃらないのでしょう
か〜」
妙なことを口走りつつも、入り口に「事務室」と書かれた部屋へと入っていく。
その女性はしばしキョロキョロとしていたが突如、机の方へ向かって歩いていく―極力音
を立てないよう、至極ゆっくりと。
そして、気づかれないように椅子に座っている男の方へと近づき、ヘッドホンに手をかける――
 
「きゃっ」
瞑想にふけっていたら、突然音が消えて、(あぁ、良いところだったのに)と思った次の
瞬間になぜか悲鳴が。
 後ろを振り向くと、
「あ・・・・・・ただいま帰りました」
落ち着き払って俺にあいさつするあずささん。だけど俺が、
「あぁ・・・おかえりなさいませ、あずささん。そういえば、さっきの悲鳴はなんだったんでしょうか?」
と尋ねると、顔を赤くして、
「あっ、いえ、あの〜・・・」
とうろたえだした――まあ、原因は分かりきっているが。

「ああ、すいません。びっくりさせちゃったみたいで。実は・・・」
 この後、俺はあずささんに一から事情を説明するハメになった。俺がこの手の曲に凝っ
てること、この曲がテレビで取り上げられたことなどなど。
 あずささんもこの曲を知っていて、思いの外盛り上がってしまいつい、
「たまにはこういう曲を出すのも・・・・・・」
と言ってしまった。
「さ、さすがにそれは・・・」
ま、そりゃそうだな。
                fin 



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