supernova

作:ファル

「もういいです!、いい加減にしてください!」

そう言うと、彼女…如月千早は大きな音を立てて部屋から出て行った
原因は、プロデューサーとの考えの違い…
千早は「ボーカルレッスンをやりたい」と言ったのだがPが
「レッスンはいいからとりあえずミーティングをしよう」と言われて
2人は口論になり、千早はついにキレて、部屋を出て行ったのだ

千早は事務所を出て、公園のベンチに座っていた

「どうしてミーティングなんて…それだったらボーカルレッスンをした方が絶対にいいのに…」

千早がつぶやいていると、一人の女性が千早の前に現れた

「あらー、千早ちゃんじゃない、どうしたの?」

「…あずささん、実は」

あずさは千早の隣に座った
千早は事務所に所属するもう一人のアイドル…三浦あずさとユニットを組んでいたのだ
あずさに何をつぶやいていたのかと聞かれ、千早は事務所であったことを話した

「……と言うわけなんですよ」

「千早ちゃん…」

「私は早くレッスンがしたいのに…どうしてですか?」

「それはね、プロデューサーさんが私たちのことを考えてくれているからよ」

「考えている?」

千早には分からないがあずさには分かっていた

「私たちは日ごろプロデューサーにお世話になってるでしょ
今はそれで当たり前かもしれないけど、本当の大事さは居なくなってから気づくものなのよ」

さらはあずさは続ける

「延べられた手を守ったときに、守りたかったのは自分かもしれないし」

「どういうことですか?」

千早には、何だか分からなくなってきているようだ

「プロデューサーさんを守りたいって思って手を取ったら
守りたかったのは自分自身だったのかもしれない…と言う事よ」

「プロデューサーさんにだって頼ってきたでしょ?
でも本当は私たちが怖いから…失いたくないから離れられないだけなのよ」


「いい?千早ちゃん、今プロデューサーさんと話したから分かると思うけど
伝えたい気持ちなんて無いでしょ?」


それを聞いて、千早は何かに気づいたようだった、千早の頭の中に、あの光景が蘇る
確かに伝えたいことなんて無かった 


でも、人にあわせたりすると分かるの、伝えたい気持ちだらけって事が」


「私たちだってプロデューサーに感謝してるけど…本当は
ありがとうだけじゃ言い表せないたくさんのことでお世話になってきたのよ」

「あっ!」

千早は思わず声を上げた、冷静に考えれば筋が通っている

「私たちがプロデューサさんに望んでいるものは、思い出じゃない…思い出じゃ無い今なのよ」

「プロデューサーさんは、いつまでも私たちのそばに居てくれるわけじゃないのよ
私たちとプロデューサーさんの関係にもいつかは終わりが来るのよ」

「だけど私たちのプロデューサさんは、居なくなってもここに居るのよ」

そういってあずさが指差したのは胸…もとい心と言う意味だった

千早はあずさの話を聞いているうちに涙目になり、この言葉を聞いた時には声を上げて泣いていた

「あずささん…私、間違ってたことに気づきました…うぇぇっ…ぐずっ…あぁっ…」

千早は何かが切れたように泣き出していた、あずさは、そんな千早を抱きしめて頭を撫でていた

「あずささぁん…うぇぇっ…ぐずっ…ふぇぇっ…」

自分の間違いに気づき、子供のように泣きじゃくる千早…あずさはそんな千早を否定することなく
ただずっと抱きしめていた

それから数時間後…

「あずささん、ありがとうございました」

「いいのよ、早く事務所に戻りましょう」

2人は事務所へと急いだ
プロデューサーの存在は、世界では取るに足らないかもしれない
しかし、誰かの世界は、それがあって造られる
千早とあずさにとってプロデューサーは、無くてはならない存在なのだ
たとえこの先プロデューサがやめたとしても…
2人の時計は止まらないで動き続けるだろう 



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