ストラップ

作:ユルカP

「……まいったなぁ……まさか紐が切れちゃったなんて……アレを他の人に見られるわけには……」

「何やってるんだ、律子?」

「ひっ!!」

「おわっ!!」

「ぷ、プロデューサー……驚かさないでくださいよ……」

「驚いたのはこっちだ!!」


彼女の名前は秋月律子。

世を賑わすデュオユニット「ステージガールズ」のメンバーだ。

そして、俺はその「ステージガールズ」のプロデューサーだ。


「何か探してたのか?」

「ま、まぁね……。大した物じゃないんだけど……」

「それにしては、かなり焦って探していたみたいだけど?」

「だ、だから本当に大した物じゃないんだってば!!」

「…………」

「な、何ですかその目は!!」


と、そこに……


「あ、律子! プロデューサー!」

「真!」

「おお、真か」


菊地真。彼女も「ステージガールズ」のメンバーだ。

律子と共に活躍している。


「あの、これ廊下で見つけたんですけど、誰のかご存じないですか?」 

「……ストラップ? どんぐりみたいな蛙と……ちょっと不細工な魚?」

「紐が切れていたみたいなので、誰かの持ち物みたいなんですけどね……」

「わかった、俺が預かっておく」

「頼みましたよ!」


と言うと、真は駆け足でその場を去っていった。


「ほら律子」

「あ……」


俺は律子に先ほどのストラップを渡す。


「探してたのはこれじゃないのか?」

「そ、そうですけど……」

「どうして話したくなかったんだ?」

「だって、こんなストラップ人に見せられないですよ……可愛くないですし」

「いや、俺は可愛いと思うぞ?」

「え?」


「そうやってストラップを隠そうとする律子は、十分可愛いと思うぞ」


律子の顔は真っ赤になった。


「く、くだらない事言ってないで、仕事しましょ! 仕事!」

「はいはい」


―律子。

―俺が何で「ステージガールズ」ってユニット名をつけたか分かるか?

―せめて舞台の上だけでも華麗な女の子達でいてほしかったからさ……。 




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