無題

作:名無し

「はぁ、、、」
「おはよう、千早ーってどうした、ため息なんかついて」
事務所に出勤すると突然千早のテンションが最低だった。
「あ、プロデューサー、、、いえ、たいしたことでは」
「ってそんなため息ついて何もないはずないだろ?役に立つかはわからんが悩みがあるなら俺だって相談にぐらいのれるぞ」
「い、いえ、本当にそんな大げさな話じゃないんです。それより今日の仕事は何ですか?」
「なんか釈然としないが、まあ本人がそう言うなら、、、今日の仕事は・・・」


「お疲れ様でした、プロデューサー」
「お疲れ様、千早。今日はどうしたんだ?ずいぶん気合が入ってたみたいだが、朝悩んでたことはもういいのか?」
「い、いえその、、、プロデューサー。今日の仕事、私うまくできていたでしょうか?」
「え!?いや、かなりうまくいったんじゃないかな?会場も盛り上がってたし、問題があったようには感じなかったが?」
(しいて言うならリハーサルのあとや休憩中にやけに千早がこっちを見ているのが
気になったといえば気になったがそれは仕事とは関係ないしなあ・・・)
俺が悩んでいると千早がなぜか顔を真っ赤にして
「プロデューサー!でしたら!」
「な、なんだ?急に大声出して、、」
「その、、あ、あの、私の、その、、、、私のことも誉めてください!!!」

・・・・・・・・・は?

「いや、『お疲れさま、今日もいいできだったぞ』って仕事の後に言ったし、いつも誉めるときはほめてるつもりなんだが、、」
「でも、やよいは!、、、やよいにはその、、」
やよい?やよいには?
「千早?ここまできたら話してくれないかな?俺にはいまいち言いたいことがわからないんだが」
俺がそう言うと千早はうつむきながら
「今朝プロデューサーがくる前にやよいから聞いたんです。
その、プロデューサーがやよいのことを誉めるときは頭を撫でたりしてくれるって。
それでやよい、お兄ちゃんができたみたいですごくうれしかったって」
「あー、たしかにやよいには、、、、って千早?まさか、、、」
「わ、私だってたまには甘えたいときぐらい、、、、
ってなんでそんなに笑うんですか!ひどいです!どうせ私はやよいみたいにかわいくないですけど」
「はははははははははははは!いや、うれしくてな」
うん、うれしい、かなりうれしい。
「千早そういう相手に俺を選んでくれるなんて、な。
最初に事務所であったときには他人と接することを嫌ってたのに、今はこうやって心を開いてくれて」
「だ、だって、私にとってプロデューサーは大切な人だから」
「そっか。じゃあ、、」
そういうと俺は千早を抱き寄せてそっと頭を撫でる。
「あ、、、、、、、」
「いつもおつかれさま。明日からもいっしょにがんばっていこうな!」
「はい、プロデューサー。これからもずっとふたりで!」
そういって笑顔を見せた千早はとても輝いていた。

END


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