伝説に放たれた刺客

作:ファル

765プロの前に2人の男が立っていた。
一人は体が細く、しかし身長が高い。
もう一人は少し低めの身長で、がっちりした体格をしている。


「実喜綾乃か…無茶な奴もいるもんだな…。」

「あんたならどう見る?。」

「あんな事しなくても俺はやれるな。」

「とりあえず中入ろうぜ。」

2人は事務所の中へ入り、社長室へと向かった。


「おお…君達は確か…。」

部屋に入るなり社長が話しかける、どうやら面識があるようだ…。
そんな中、身長の高い男が口を開いた。

「ある方から依頼を受けてやってきた、九龍(ガウルン)です。」

つづいてもう一人の男も口を開く。

「九龍のアシスタント兼アイドルプロデューサーの宰相(さいしょう)です。」

実はこの二人、ここのアイドル候補生より「無茶な事をするプロデューサーがいる。一回あなた方の手で地獄を見せて欲しい」
との依頼を受けやってきたプロデューサーだったのだ。


九龍…表舞台でさまざまな業績を残しあと少しで伝説という
プロデュース界で知らないものは居ない男。

宰相…表舞台でデビューするが手腕が上がらず地下にもぐる
地下でトップアイドルを3組ほど輩出し、表舞台に戻る
ふとしたことから九龍と知り合い、行動を共にしている。

二人が来た目的は「実喜綾乃に地獄を見せる事」である。

「早速ですが会わせて頂きましょうか。実喜綾乃さんに。」 


その後2人は実喜綾乃と面会した。
しかしプロデュースの路線を聞くと依頼にもあったように。
まさに「横暴」そのものであった。
面会を終えた2人は…。

「人をゴミのようにしか扱っていないな…。」

「ああ…全く分かってねぇな…俺たちの手で教えてやろうぜ。」

実はこの2人、面会の終了直前に「勝負」を持ちかけていたのだ。
自分たちがプロデュースするアイドルと綾乃がプロデュースするアイドルで
3ヶ月間のファン数で勝負し、綾乃が負けたら765を出て行くというものだった。

綾乃は如月千早を、九龍は星井美希(宰相の趣味)を選びプロデュースは開始された。

「綾乃の奴は性格を利用してレッスンをするはず…そしてデカイのを取ってくるはずだ。」

「だからこっちは逆に、オデをこまめに受けて、その間にレッスンを入れる…だな九龍。」

「その通り、よく分かってるじゃないか。」



その後九龍たちは、最初の一ヶ月はオデに費やし、開幕負け犬を敢行、ランクDにまでのし上がる。

一方綾乃側はすべてレッスン+合宿で身体能力を高めたがファンは無に等しかった。



2ヶ月目…九龍たちは2、4週目にレッスンを入れて確実にレベルアップならびにファンの獲得も
怠らず、ファンは28万人ほどになった。



一方綾乃側もTOP×TOPを受け、一気に詰め寄ろうとしたが…。

「そ…そんな、私が負けるなんて…予定が狂ったわ。ファルという男…できるわね。」

「やったーっ!TOP×TOP3連覇だぜ!。」

ファル…プロデュース暦たったの1年目(ゲームで表すと完全初回プレイ)でTOP×TOPを合格した
ルーキープロデューサー。現在はそのユニットを含め2組を引退させ、3組目を開始した所である。
九龍、宰相とは顔見知り。

こうして綾乃側はスタートダッシュに失敗し、2ヶ月終了で15万人にとどまった。




3ヶ月目…九龍、綾乃お互いにラストスパート、九龍はアイドルビジョン7万を
綾乃側もさまざまなオデを受けた。しかし綾乃側は、またしてもファルに邪魔される場面が何度かあった。
激闘の3ヶ月が終了し、結果は…。

如月千早:27万5255人

星井美希:32万2541人

以上のような結果となり、九龍に軍配が上がった。 


この結果に納得がいかない綾乃に対し、九龍は…。

「実力をつけることも大事だが、まずは本人の素質をオデによって理解して、そこからレッスンを始める
最初から素質にかかわらずレッスンなどしていたらアイドルイメージが被ってしまう上に邪魔も入るからな。」

上のように指摘している。
勝負に敗れた綾乃は765プロを去り、姿を現すことはなかった。
そんな中数日後…。

「ありがとうございます。これも全て、あなた方のおかげです。」

「気にしないでください。結構面白かったですから。そちらも頑張って下さいよ…律子さん。」

そう、九龍たちに依頼をしたのは、かつて綾乃とのプロデュース対決に敗れ
「横暴」な合宿などを強行された「Proro」のメンバー、秋月律子だった。
彼女は綾乃のやり方に強く恨みを抱いており、綾乃に地獄を見せたかったと後に語っている。

後から分かった事だが、ファルは、綾乃のやり方を嫌っており、九龍との勝負を知った上で
綾乃と同じオデに入り、綾乃を足止めしたという、後に本人も「九龍に勝ってほしかったから
あの女(アマ)を蹴落とした。」と話している。

季節は徐々に、冬になろうとしていたときの事だった。 



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