文化祭IN2007

作:ファル

昨年のこの行事ではあずさが暴走した。
その行事にまた…千早とあずさが…あの学校の行事に君臨する。
「文化祭」と言う行事に。

その知らせを聞いたときにあずさは不機嫌そうな顔をした。
理由は…

「あの学校は嫌ですよ。私のことを冒とくした子がいるんだもの。」

確かに一年前の文化祭では、初対面の中学生から「ババァ」と言われている。
(ただしそいつは文化祭片づけ中にボロ雑巾になって発見された。)
あずさはそれが不満なのだろう。

「心配ないですよ。今回はそのクラス忙しいみたいですから。」

「プロデュサーもこう言ってるんですし行きましょうよ。」

Pと千早が一生懸命説得していた。楽しかったのは事実である

「…じゃあ行きます。私たちのファンがいるかもしれませんし…。」

あずさは渋々説得に応じた。
しかし、顔には「また同じことになる」と書いてあるようだった。

11月10日 某中学校前
1年前と変わらないルートで、一行は学校に着いた。
今年も歌の発表があるため、関係者に挨拶し、ステージに入った。


同日13時
ステージ発表開始。

「最初に、去年も来て頂いた方たちによる歌の披露です。」
ステージは段取りどおりに進んでいた。その頃客席では…。

「おい田中。何であの人たち花の名歌ってんだ?。」

「胡桃さんそりゃあ…俺が頼んだからだよ。」

「お前なぁ…何でそういうことするかなぁ…。」

客席では去年の来校の依頼者である田中と胡桃という生徒が話していてた。
どうやら胡桃はBUMPの曲がカバーされているのを快く思っていないようだ。
そんな中…

「BUMPの曲はいいけど…初老のババァが混じるだけでこんな違うんだ。」

そこには、去年あずさを怒らせた張本人である大野もいた。
なぜかあずさのことを快く思っていない。

「おい大野…お前そういうことばっかり言ってんじゃねーぞ。」

「だけど山さん。あいつ絶対初老だぜ。」

山さんと呼ばれた人物…青山が大野をなだめていた。
そうこうしているうちに千早たちのステージは終わった。
千早たちが裏から出てくるとそこには田中がいた。

「田中君、久しぶり。1年ぶりね。」

「お元気そうで何よりね。」

「忙しい所すいません。発表に1つ欠落があって…それで呼んだんですけど。」

「構わないわ、それでファンが喜んでくれるなら。」

千早とあずさは田中と談笑していた。
そこへ… 

「おい、田中。そろそろ出番だから準備…ああっ!。」

「ああっ…たしか去年あずささんを怒らせた…。」

千早の言うとおり。
最悪の組み合わせ。さあどう切り抜けるか。

「お前…あの時はよくもやってくれたな!。お前のせいで俺は3日間病院行きだったんだぞ!。」

いきなりズカズカと物を言う大野。しかしあずさはにっこりとあずさのほうを向いているままだ。
そして大野に向かってこう言った。

「何か文句があるのかな。」

口調的にはそれほど強くない。しかし…限りなく黒い。
さすがに大野も言葉の感情が読めないわけではない。

「なっ…何でもありません!。ハイッ!。」

大野はそう言うと観客席へ戻っていった。

「だよね、良かった。」

千早と田中は明らかにあずさの心情を察していた。

客席に戻った大野は青山に疑問を投げかけられた。

「おい。その三浦って人どんな感じだった?。」

この問に対して大野は…。

「イマネ トテモコワイカンジガシタ。」

完全に外人口調になってしまっている。

「外人口調になるほど怖かったか…田中も苦労しそうだな。」

その後は滞りもなく無事に文化祭は終了した。
千早たちは、田中との別れを惜しみつつ学校を後にした。

「今日は楽しかったですね。」

「そうね。特に田中君がTHE BLUE HEARTSのTRAIN-TRAINを歌うなんて。」

「私が驚いたのは、白雲の城ですね。」

2人は帰りの電車内。文化祭の話で持ちきりだった。
しかし、千早の心の奥底には「もうあずささんを怒らせないようにしよう」
という気持ちがあったのはまた別の話である 




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