カルマ

作:ファル

亜美と真美は互いが交代でアイドルをしている。
しかし、今その関係に揺らぎが見え始めていた。
原因は…真美がある事に気付いてしまった事である。

真美は、「いくら自分がアイドルとして活動しても脚光を浴びるのは亜美である。
それゆえに自分はいくらやっても注目されない。」と言う事に。

このことに亜美も気付いたのか、交代を渋るようになった。
そう。「場所」を取ったのだ。亜美は奪われないようにと守っているのだろう。

この空気を察したPは亜美に相談を持ちかけた。

「亜美、最近妙じゃないのか?。亜美の方が明らかに活動しすぎだ。少し休んだ方が…。」

「兄ちゃんには関係ないじゃん!ほっといてよ!。そうやって亜美を休ませて真美を出して名乗らせるんだ。
そうしたら立場が逆転するから…。そうなんだよね!。とにかく亜美たちの事はほっといてよ!。」

「あっ…ちょっ…」

Pが止める間もなく亜美は走り去ってしまった。Pは気づいたのだ
「亜美の事を疑う前に自分が疑われている。」と。

その頃真美は…事務所のソファーで泣いていた。
自分は亜美を引き立たたせるための存在なのだと…。
真美は自分が何のために生まれてきたのか分からなくなっていた。

「真美ちゃんじゃない。どうしたの?そんな所で。」

そこへやってきたのが三浦あずさ。真美が泣いている事に気付いて近づいてきたのだ。
真美は全てを打ち明けた。 


「そうだったのね。たげどね。真美ちゃん。」

泣きそうな真美にあずさは説明し始めた。

「双海亜美というアイドルの存在が続く限り、亜美ちゃんは「アイドル」という場所を取り続けるわ。
あなたに奪われたくはないからね。それは分かるわね。」

亜美も納得しているようで首を縦に振る。

「だけど真美ちゃんもステージに立ったことがない訳じゃ無いわよね?
あなたもそこで「光」を浴びているのよ。」

この言葉に真美は納得できないのか口を開き…

「でもそれじゃあ結果的に真美は亜美の代わりでしかなくて…。」

真美が言いかけるとあずさはそれを止めた。

「でもね。今までの事全部亜美ちゃんがやって来たわけじゃないでしょう?。」

言われて真美ははっとした。
確かにそうである。亜美1人の力では、体力、精神共にここまで持たなかっただろう。

「亜美ちゃんが本当に知らなきゃいけないのは…真美ちゃんのありがたさなのよ。」

あずさはそこで口を切ると真美の身体に手をかけた。

「真美ちゃんはここにいる、確かに触れる…その事実は変わらないのよ。」

「忘れないで。私は後ろからいつも真美ちゃんの事を応援しているわ。
真美ちゃんが今の双海真美を捨てて亜美ちゃんと一緒に活動する…それを約束して欲しいの。」

あずさの言葉に真美は泣いていた。涙をこらえて真美は一言だけ

「…頑張ってみる…。」
とだけ答えた。








数ヵ月後…世間では双海亜美ではなく「双海姉妹」という位置づに変わっていた。
あの後真美も正式にデビューしたのである。
今やアイドルの第一線を行く真美には以前のかげりはみじんも無い。
そう…。真美は以前の自分を捨て亜美とひとつになりあずさとの約束を果たしたのだ。 



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