HAPPY "Christmas" BIRTHDAY!!

作:となめし

KOSMOS,COSMOS飛び出していく♪ 
私の新曲が聞こえてきました。
あれ?どうしてでしょう?
……あ、携帯で目覚ましに設定してたんでした。

「あふぅ……」

おはようございます。美希ちゃんじゃありませんよ?雪歩です。
えっと今日は12月24日、クリスマスイブです。
つまり……私の誕生日なんです。

「やっぱりクリスマスと誕生日は別がいいなぁ……」

独り言で文句を言いながら着替えて、髪をとかします。

「だって誕生日プレゼントとクリスマスプレゼントが一緒なんだもん……プレゼント一つ分、損しちゃってるってことだし……」

クリスマスイブ&誕生日の朝にいつも考えることをやっぱり今年も考えてしまいました。
はぁ……今年もちょっと憂鬱です。



事務所に出勤する朝の10時頃、すでに街にはカップルが沢山歩いてました。

「うぅ……穴掘って埋まりたい気分ですぅ」

律子さんの「魔法をかけて」みたいに素敵な恋を夢見てる年頃だとは思いますけど……私って男の人苦手だし、
貧相でちんちくりんだから「お姫様」とは程遠いって感じ……♪きっと、素敵な王子様に……は、巡り逢えないと思うんです。
それに教科書がボーイフレンドって程勉強もできるわけじゃないですし…… 

「やっぱりこんな私は穴掘って埋まっちゃえばいいんですぅ……」
そんなことを考えながら、カップルだらけの道を独りでとぼとぼ歩いていくのでした。 

「お、雪歩おはよう」

「お、おはようございますぅ、プロデューサー」

辛い道のりでしたけど、事務所に着いてプロデューサーの顔を見たら、ちょっと気持ちも晴れてきました。
もし私が「お姫様」なら……プロデューサーが「王子様」になってくれるかなぁ?
でも……プロデューサー、人気あるし……やっぱりこんな貧相でちんちくりんな……

「おーい、雪歩?」

「は、はいぃ!」

あうぅ、また自分の世界に入り込んでしまいました。

「出勤早々悪いんだけど、ちょっと会議室に行っててもらえるか?」

「今日のお仕事のミーティングですか?」

「んー、まぁそんなもんだ」

と言って、私を見ながらくすくすと笑いだしました。

「はうぅ……私、今日どこか変ですか?」

「ごめんごめん……いつも通りかわいいよ」

そう言うとプロデューサーは書類に向き直りました。
……おかげで真っ赤な顔は見られずにすみました。



さて、今日はどんなお仕事なんだろう?と考えながら会議室のドアの前に立つと、中が何やら騒がしくなっています。 


「ほらほら、早くしないと来ちゃうわよ!」
「よ、よし、ボクは準備できたよ」
「あ!真くんずるいの!ミキもクラッカー、パーンッてやりたいの!」
「あらあら、私クラッカーなんて初めてやります〜」
「ねぇねぇ、亜美亜美ー!このプレゼント、ゆきぴょん喜んでくれるかな?」
「んっふっふー!どう考えてもばっちりっしょー!」
「ケーキもデコレーション終わったよ!」
「ところで亜美、真美?プレゼントは何にしたの?」
「やっぱり千早おねぇちゃん気になるー?」
「んっふっふー!実はー……」
「ちょ、ちょっと!やよい!あんたクラッカー知らないわけ?」
「うっうー!この紐、なんですかー?」
「わわっ!こっちむけて引っ張るんじゃないわよ!」


中はなにやら盛り上がっていて……とても入りづらいです。
でも、ちょっと中が気になります。
プロデューサーを振り返ると、まだ書類と格闘中みたいで、ミーティングにはまだ来れそうじゃないようです。
……ちょっとなら、いいですよね? 



私は意を決して 
会議室のドアを 
開き……

ガチャガチャ

開けませんでした。

「鍵……?」

私はドアノブを左右にひねったり押したり引いたりしたのですが、やっぱり開きません。
ですが、中から反応がありました。

「ごめんなさーい!今、会議室使用中でーす」

この声は…… 

「り、律子さんですか?あの、プロデューサーと会議室でミーティ……」

「……雪歩!?」

「ひうぅ!?」

急に律子さんが私の名前を叫びました。
すると会議室内は更に騒がしくなりました。


「ほら!雪歩、来ちゃったじゃない!」
「え!もう?早くしないと!」
「ちょっと春香!私のうさちゃん踏んで……」
「え?え?……ってあわわ!」
「ふぅ……はるるん、今日ばっかりは勘弁してよねー!」
「間一髪ってやつだね!はるるん!」
「二人とも、ありがとう……」
「あらあら、亜美ちゃん真美ちゃんナイス、ですよー」
「むむ……亜美と真美の反射神経なかなかだなぁ……ボクも負けてられないな!」
「今のはミキもちょっと焦っちゃったの……もぐもぐ」
「って美希!つまみ食いしちゃダメじゃない」
「むぅ……千早さん、そんなに怒ると胸大きくならないの」
「なっ……!」
「うっうー!美希さん、おかわり一杯ありますから!」
「って、みんな!早く準備して!」


会議室内は大混乱中みたいです。
はうぅ……私、何かしてしまったんでしょうか?
今日は誕生日でクリスマスイブなのに……私にとっては厄日なんでしょうか?
やっぱり穴掘って埋まっときますぅ!
そして私が埋まろうとしたとき

かちゃり

と、鍵の開く音がしました。

「ごめんね、雪歩。穴、掘ってない?」

律子さんの声がドア越しに聞こえてきました。

「あうぅ……」

今まさに埋まるところでした……

「今度は入ってもいいわよ」

と律子さんが言いました。 
今の私はもう何が起きても怖くありません……多分。

そして私は
再び意を決して、
ドアノブを
右側に回し、
ドアを引くと 

パーンッ

という破裂音と



誕生日おめでとう!



の大合唱で会議室に入りました。

クリスマスイブ&誕生日が今年最高の思い出になった瞬間でした。




まるで「お姫様」になった気分ですっ!




HAPPY "Christmas" BIRTHDAY!! "Princess" Yukiho!! 




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