作:名無し

律子「ウーン、困ったわね…」
雪歩「あれ、律子さん。どうしたんですかぁ」
律子「あの、社長に"今以上の収益を出すためにはどうすればいいのか、考えてくれ"
と言われてね…」
雪歩「? 意味が分かりませんけど……」
律子「ホラ、うちの事務所ってギャラが低いのよ。
それに、事務所の維持費も結構かかるから、毎月カツカツなのよ。」
やよい「だから、昼休みになったら、必ず事務所の電気を消すの。」
律子「電気代も馬鹿にならないしね……」
雪歩「どうして、そんなこと知ってるんですかぁ」
律子「うちの事務所。経理の人採用する余裕がないじゃない。
だから、私が代わりに経理をやっているの。
   それに、元々、ここには事務系で応募していたから願ったりかなったりだけど。
まさか、アイドル候補になるとは思わなかったわね。」
やよい「道理で、レッスンの時に微妙にやる気がないんですね。」
律子「コラー、そんなわけないでしょ。
自分が会社の利益を上げるためにやっているんだから、しょうがないでしょ。」

子一時間ほど経過……

律子「あ、そうだ、雪歩。」
雪歩「?」
律子「あなた、以前CMのナレーションやってなかった?」
雪歩「え?あれは…その……台本を間違ったわけで…………」
律子「実は、あのナレーション。ラジオのCMで実際に使われてるのよ。」
雪歩「え??そ、そんなぁ〜」
律子「どうも、スタッフの人がテープをスポンサーに渡したらしいのよ。
全く、どういう了見かは知らないけど。」
雪歩「ウソー!!」
律子「ホラ、今ラジオでかかってるわよ。」
ラジオから流れる雪歩の声「……安眠枕ZXでーす。
安眠枕ZXは、アメリカの最高研究機関であるNASAで開発された……」
雪歩「…………」
律子「これ、使えないかしら。」
雪歩「え……」
律子「ひらめいた。安眠枕ZXをカスタマイズして、
私たちが枕カバーになってる抱き枕を作ってコンサートグッズとして売るの。」
雪歩「それはそれでいいんですけど……あの枕。タイマーで枕が自爆するんじゃなかったですか?」
律子「そこは、ファンが死なない程度に抑えるのよ。ちょっと社長と掛け合ってくるね。」
雪歩「……本当に表情が活き活きしてるのは……気のせいでしょうか…………」 



数日後……

雪歩「おはようございまーす。」
プロデューサー「おはよー。」
雪歩「あれ、プロデューサーさん。いっつも夜遅いのに、最近ずっと来るのが早いですね。」
プロデューサー「いやな。枕が家に送られてきてね。それを試しに使ってみたら快適で。」
雪歩「ハァ……」
プロデューサー「枕が自爆する前にタイマーを止めないといけないから、
快適に寝れる上にタイマーの5分前にちゃんと起きれるのさ。」
社長「おはよう。」
雪歩「おはようございます、社長。あれ、社長。その頭の立ち具合は……」
亜美「ドリフのコントみたいな頭だー。おもしろーい。」
雪歩「あの、どうなされたんですか……」
社長「いやな。家に枕が送られてきてな。それを使ってみたら寝心地が良くて。
 うっかり寝過ごしたら枕が爆発してこんな感じになったのさ。
 今日は、このままだと出社時間にも間に合わなかったし、
 このまま来てしまったよ。ハハハ…………」
律子「ウーン……もうちょっと火薬の量を多くしないといけないわね……
プロデューサーに送った枕に入ってる火薬の量程度で大丈夫かもしれない……(ぼそっ)」
雪歩「!」

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