事務な二人(前編)

作:ひらりん

俺の名前は琴若響。
俺はとんでもない人事異動通達を受けようとしていた。
ただ、この時そんな事は知る由も無かった。それは、隣に居る秋月律子も同じだった・・・。

最初に勤めていた会社は難病を患い一年余りで体力的に無理と分かり退社。
次に当たる以前の会社は10年勤めていたが不況の煽りを受けて、
好景気になるかもしれないこの波に乗る前に倒産した。
今回も正直大きな所ではないのでどうなるか不安ではあるが、
何もしていないよりはましだと思い応募してあっさりと受かった。
そして、このプロダクションに事務員として勤め始めてから三ヶ月。
難病の再発という爆弾を抱えながらも、楽しい職場に俺は満足していた。

「高木社長の交通費精算は?」
「領収書がありません・・・。」
俺の隣で律子は額に手を当てて、呆れたように答えた。
「しょうがないな・・・。後で一緒に行くとして・・・水瀬さんと天海さんの請求関連来てる?」
「来てません・・・。」
全く・・・あの二人と来たら・・・。俺も頭を抑えて頭を横に振った。
「ありがとう。私が催促掛けるから、りっちゃんは菊地さんの移動のチケット取っておいて。」
「はい、わかりました。」
律子はそう返事をすると、インターネットを開いてすぐにJRのチケットの予約を始めた。
それを横目に、俺は早速催促の電話を掛けた。
「はい、天海です。」
「休憩中ごめんなさい。事務の琴若です。プロデューサー出れるかな?」
「お疲れ様です。今打ち合わせ中みたいで・・・。」
春香は気不味そうに答える。
「それじゃあ、今日中で良いから手の開いた時に電話下さいと伝えて頂けますか?」
「はい、分かりました。お疲れ様です。」
電話を切った後、すぐに別の番号に掛け直す。 


「はいはい、伊織だけど誰?」
「事務の琴若です。」
俺はなるべく優しく言った。
「うげっ・・・。ってかまたアイツ何かやってないの?」
「請求書が提出されていないんです。」
(うげって何だよ・・・。)
そう思いながらも俺は言った。こういう時は逆に顔を合わせていない方が良い。
「わかったわ、アタシから言っておくわ。そんでもってすぐに電話させるわ。それで良いのよね?」
「はい、ありがとうございます。お仕事頑張って下さいね。」
俺は型通りではあるが言った。
「はいはい、ありがとね。それじゃあ。」
こっちから切る前に一方的に切られたが気にせず受話器を置いた。
「どうでした?」
律子は心配そうにこちらを見ながら聞いた。
「ああ、多分大丈夫だと思う。水瀬さんのマネージャーが先だろう。
そっちは私が受けるから、天海さんのマネージャーから来たら対応お願い出来るかな?」
「はい。でも本当に琴若さんが来てくれて助かりましたよ。」
律子はカフェオレの入ったマグカップを持ちながら言う。
「うん?そうなのか?」
俺は不思議そうに聞いた。
「そうですよ。かなり引き締まりましたし、皆も言う事聞いてくれる様になりましたよ。」
「まあ、現場の人は売ってなんぼだから。それが仕事な訳だし。
私達は生み出す訳じゃないからね。稼ぎ易くしてあげるのが仕事さ。
こうやって座ってられるってのは皆のお陰だしね。」
「まあ、それはそうですけど・・・。」
俺の言葉に賛同しながらも律子は不満そうに呟く。
「良いんだよ。ぼやきたけりゃぼやきゃ良いし。
溜め込まないで思う事言えば良いさ。ただ、周りには注意しなよ。」
俺は少し冗談めかしながら言った。
「本当に琴若さん来てくれて良かったです。
社長だけでなく、抑えるの難しいアイドルの卵達にも怯まないし。
むしろ相手の方が遠慮してるくらいだし。」
律子は感心しながら俺を見て腕を組んでいた。 


「私もまだまだ若造だけど、無駄に長く生きてないさ。」
俺は笑いながら言った。
(この人には適わないな。)
律子は内心で苦笑いしながら思っていた。
その後、俺の予想通り伊織のマネージャーから電話が掛かってきて、
話している途中で春香のマネージャーから掛かってきた。

「ふふっ、本当に琴若さんエスパーですか?」
対応が終って、律子は驚きながらも笑って言った。
「急かす速度の違いだよ。さてと、りっちゃん行くぞ。
高木さんにも領収書貰いに行かないと。」
「はい、お供します。」
俺と律子は席を立って、高木社長の居る社長室へと向かった。

コンコン
「どうぞ。」
中から高木社長の低い声が聞こえる。
「失礼します。」
俺と律子は一緒にドアを開けてから挨拶をして中へ入った。
「おおっ!琴若君に律子君、良い所に来た。」
高木社長の言葉に俺は嫌な予感がした。
「社長、交通費の領収書下さい。」
俺は黙っていたが、律子は社長の言葉も気にせず単刀直入に言った。
「む、分かった。領収書は話が終ったらで良いかな?」
「はあ・・・。」
律子はどうしたら良いか分からないようで俺の方を見る。
「先に処理してからでも宜しいですか?
それとも今そちらの方が大事だというのならお聞かせ下さい。」
俺は妥当と思える言葉を選んで出した。
「それでは、先に処理をしてくれ給え。琴若君に頼んで良いかな?先に律子君に話がある。」
「分かりました。それで、領収書は何処に?」
「君に言われていたからね、ここに有る。」
俺が聞くと社長はクリアファイルを差し出す。
「では、失礼致します。」
俺はクリアファイルを受け取ってから、
そう言いながら一礼して社長室を出て自分の席の方へと戻って行った。 


「社長、お話って何でしょうか?」
律子は不思議そうに聞いた。
「うむ、実は事務の仕事を今日限りで辞めて貰う。」
「ええっ!クビですか!?私そんなに駄目ですか?」
律子は驚いて聞き返す。
「いや、そういう訳じゃないんだ。新しく来た琴若君もそうだが、君達はとても有能だ。
出来れば続けて欲しいんだが・・・。」
「じゃあ、何故ですか?」
律子は社長が話の途中だったが、動揺していて強く聞き返す。
「おっほん。律子君、最後まで聞いてくれるかな?」
「あっ・・・。はい、すいません。」
律子は社長に咳払いされてから言われた言葉に我に返って謝った。
「律子君には明日から事務員ではなく、アイドルになって貰う。」
「はぁっ?」
社長の言葉に律子は素っ頓狂な声を出して驚く。
「既に8人の候補生を送り出している訳だが、君も知っての通り、軌道に乗って来ている。
ここで、また一人タイプの違うアイドルをうちから輩出したいと思っている。」
「はあ・・・。」
(社長本気なのかしら・・・。)
間の抜けた感じで律子は相槌を打つ。
「そこで、最後の候補生として律子君、君をデビューさせたい。」
「あの・・・。私こんなに地味なんですけれど・・・。」
律子自身の言葉通り、
今の格好はとてもアイドル候補生と言うには相応しくない地味な格好だった。
「だがな、他に候補にすらなる子が居ないのだよ・・・。」
(それが本音なのね・・・。)
律子は社長の本音を聞いて呆れた風に溜息をついた。
「まあ、それは良いとしてだ。
当然アイドルになるからには君をプロデュースする人間が必要だ。」
「そのプロデューサーに琴若さんですか?」
(安直というかなんというか・・・。)
律子は驚きもあったが、呆れの方が先行していた。
「必ず彼とは言わない。ただ、三ヶ月とはいえ律子君と一緒に仕事をしていた訳だし、
彼の能力の高さも知っているだろう?」
「事務能力はあると思いますが、プロデューサーとしてはどうなんでしょう?
まあ、私では誰がプロデュースしても、たかが知れてそうですけれど・・・。」
律子は苦笑いしながら、冷静に自分の考えを言った。 


「どちらにしても、律子君がアイドル候補生になる事は決定事項だ。
戻って君をプロデュースする人間から声を掛かるのを待ってくれ給え。
遅くとも明日の午前中までには行かせる。
それまでは、申し訳ないが事務処理の方を頼む。」
「はい、わかりました。それでは失礼します。」
律子は頭を下げてから社長室を出て行った。
(私がアイドルねえ・・・。)
実感の無い律子は苦笑いしながら廊下を歩いていた。

「どうしたりっちゃん?」
俺は戻って来て元気の無い律子を見て気になったので声を掛けた。
「あー、明日になれば分かりますよ。」
何とも言えない顔をして律子は答えた。
「そうか、それじゃあとりあえず今日は水瀬さんと天海さんの請求関係は宜しく。」
「はい。」
(琴若さんはいつでも冷静なんだな・・・。)
律子は響の横顔を見つつ返事をしてから、書類を見始めた。

「よし、高木さんの処理終りっと。じゃあ、りっちゃん悪いけど行って来る。
電話入ったら折り返しで宜しく。」
「あっ、はい。いってらっしゃい・・・。」
歯切れの悪い最後の感じがちょっと変に感じたが、気にせずに俺は社長室へと向かった。
コンコン
「どうぞ。」
「失礼します。」
俺はドアを開けてから一礼して挨拶をしてから頭を上げた。
「まあ、そっちに座ってくれ給え。」
社長に席を勧められたので俺はソファに座った。
「それで、お話というのは何でしょうか?」
「うむ、実はな、今日で事務を辞めて貰いたいと思っている。」
(微妙な言い回しだな・・・。)
俺は内心で眉を潜めていたがすぐに聞き返した。 


「それは、退職勧告ですか?それとも異動通知ですか?」
「後者だな。」
社長の言葉の後、お互いに少し沈黙の時間が流れる。
社長は俺からの言葉を待っているのか分からないが、俺から言うつもりは無い。
「律子君には先程話したのだが、我が事務所の9人目のアイドル候補生になって貰う。」
「はい。」
俺は普通に返事をしたが、社長の方が意外そうな顔をしている。
「そこで、律子君をプロデュースする人間が必要になる。
どうだね、琴若君やってみないかね?」
「私みたいな新人で宜しいんですか?それに私はいつ倒れるか分からない体ですよ。」
俺は正直に言った。律子に関しては問題ないだろうが、俺は爆弾を抱えた身。
面倒を見るどころか俺の方が足を引っ張りかねん。
「律子君に関しては他に候補が居ないと言うのが本音だ・・・。」
社長は少し苦い顔をして言う。
「そうですか?磨けば凄く光ると思いますし、十分に素質があると思いますけれど・・・。」
「ううむ。そこまで言うのなら、その素質開花させて欲しい。」
唸りながら社長の方は、お願いするような感じで言って来る。
「社長。人事異動通達ならきっぱりおっしゃって下さい。そうでないと示しが付きませんよ。」
俺は少し笑いながら社長に言った。
「うむ、琴若響。明日付けで秋月律子のプロデュースを命じる。」
「喜んで拝命いたします。ですが・・・。」
俺は頭を下げて言った後で、社長の方を上目使いで見ながら続ける。
「何だね?」
社長は不思議そうに聞く。
「事務員を先に補充して頂きたいのと、引き継ぎに一ヶ月程下さいませんか?」
「補充は考えているが、引き継ぎに一ヶ月はやれない。
それプラス、事務員採用試験には君も立ち会ってくれ。」
(そう来たか・・・。)
朝の嫌な予感は的中だった。 


「かしこまりました。では、本日の分は良いですが、
今回の件は他の事務の方には社長からお話して頂けるんですよね?」
「無論だ。」
「他に話はございますか?」
「いや、ただ、君や律子君のような優秀な事務員を確保できるだろうか?」
「それを私におっしゃられましても。
私はともかく、秋月さんのような逸材は難しいかもしれませんね。」
心配そうな顔をして言う社長に、俺は正直な意見を言った。
「そうだな。よし、採用は来週にも決める。君の方は明日から早速律子君のレッスンを始めてくれ。
まずはここに行って挨拶を済ませてくれ。皆が通る道だ。色々と教えてくれる。」
そう言って社長は名詞を一枚差し出した。
「ありがとうございます。」
俺は受け取ってから、一礼して社長室を出て行った。
(プロデューサーねえ・・・。)
全くやった事の無い仕事に、全く知らない世界。期待よりも不安の方が大きかった。
「まあ、なる様になれだ。」
俺はプロダクションの窓の外を見ながら呟いた。

「あの・・・どうでしたか?」
律子は俺が戻ってくるなり聞いてきた。
「ああ、引き受けた。」
「そうですか・・・。」
俺の言葉に律子は元気無さそうに俯く。
「な〜に、出来るだけやってみようじゃないか。駄目元で。
たった一度きりの人生さ、良いチャンスに巡り合えたと思って頑張ってみよう。
良い経験になるさ。」
俺は律子を元気付けるように、肩を軽くポンポンと叩きながら言った。
実際に俺自身にも言い聞かせている言葉でもあった訳だが。
「琴若さん・・・いいえ、プロデューサー。宜しくお願いします。」
律子は真面目な顔になって言った。
(吹っ切れたのかな・・・。)
「私は何て呼べば良い?」
俺はそう思いながら聞いた。
「りっちゃんは不味いでしょうから名前そのままで。」
「それじゃあ、律子。私の方こそ宜しくな。」
ここから、律子はアイドルとして、俺はプロデューサーとしての第一歩を踏み出した。 


滑り出しは俺が大変だった。
事務員の補充の面接の段取りから選考までをやって、
更にその事務員の一人の教育係としての二束のわらじ状態だった。
「プロデューサー大丈夫ですか?」
ボイスレッスンの時に居眠りしていた俺に律子は心配そうに声を掛けてきた。
「あっ、スマン・・・。寝てた・・・。」
俺は気不味くなって頭を掻きながら律子に謝った。
「いえ、私は良いんですけれど、プロデューサー倒れないで下さいね・・・。」
「ああ、大丈夫だ。」
(多分・・・。)
と心の中で付け加えながら俺は答えた。
律子の能力は俺の予想を遥かに超えて凄いものだった。
それこそ、俺の方が楽をさせて貰っていた。
レッスンに関しては俺が教えるというよりも律子に教えられている感じだった。
俺のスケジュールを知っているから律子の方もきつく言えないんだろう。
その辺の気遣いには感謝かな。

起きてからは気合を入れ直して、律子と一緒にレッスンに集中した。
「お疲れ様。」
「お疲れ様でした。」
「本当にスマンな。来月になればこっちに集中出来るから、それまでは甘えさせて貰う。」
「ん、もう・・・。分かってて言うんですね。ずるい・・・。」
律子は少し拗ねた風に言う。
「大人はずるいんだよ。」
俺は笑いながら言い返す。律子は何も言わずにジト目で俺を見返してくる。
「んじゃ、私は事務所に戻るから、律子の方は帰って良いよ。」
「私も行きましょうか?」
「いや、私だけでなく律子に居眠りされたら不味いからな。」
「プロデューサーの居眠りも反則ですっ!社長に言いつけますよ。」
律子は腰に手を当てて怒りながら言う。
「分かった、分かった。ただ、事務所には俺一人で戻るから。律子は万全の状態で挑んでくれ。」
「分かりました。プロデューサーも無理しないで下さいね。それではお先に失礼します。」
律子はそう言って頭を下げてから、着替えの入ったバッグを抱えてレッスン場から出て行った。
「あー、本当にこんなにきついとは思わなかったな・・・。
倒れないで。か・・・。いつまで持つ事やら、俺の体・・・。」
天井の照明をボーっと見ながら俺は呟いた。 


・・・3ヵ月後(12週目)・・・
長引いていたプロデューサーの事務系の兼任も解けて初めてのオーディション。
ルーキーズという新人の登竜門に来て私は緊張していた。
逆にプロデューサーの方は生き生きしている感じがした。
「律子、唇が震えてるぞ。」
「えっ!?」
私は驚いて思わず手で唇を隠してしまう。
「はっはっは、冗談だよ。」
プロデューサーは笑いながらあっけらかんと言う。
「プッ、プロデューサー!」
緊張しているのも知らないでっ!私は思わず怒鳴ってしまった。
「よしよし、今のでちょっとは緊張ほぐれたか?」
「あ・・・。」
プロデューサーの意図に気が付いた私は恥ずかしくなって思わず俯いた。
「おいおい、そこで俯かれても困るぞ。」
私は悔しかったので反撃するべく俯いたまま黙っていた。
「律子?」
心配そうに私の肩を叩くプロデューサー。んふふっ。今だっ!
「ご心配なく。」
「はいよ。私を信じろとは言わん。自分を信じろ。そうすれば絶対合格出来る。」
全く動じずに真面目な顔をして言って来る・・・。
本当に動じてくれないなこの人は・・・。正直ちょっと残念。
「私、プロデューサー「を」信じてますから。」
私は特に「を」を強調して言った。
「分かったよ。出来る限りはやるからな。今回は同じ事務所の人間は居ないし大丈夫だ。」
「はい、お願いします。」
私は頭を下げた後、プロデューサーを真剣な目で見た。
「おう、任せとけ。んで、任せたぞ。」
「はいっ!」
このプロデューサーの言葉が私は好きだった。
私は自分のメガネを直しつつオーディションのステージへと登って行った。 


私は持てる力を出し切った。今は隣にいるプロデューサーと一緒に合格発表を待っている。
こういう時はいつも見せない真面目な顔が見れる。
「ん?どうかしたか律子?」
「いえ、発表まだかなと。」
「俺の顔を見たって、発表は早くならんぞ。」
プロデューサーは笑いながら言う。
「確かに。」
私も思わず微笑みながら言う。
「さあ、合格発表だ。皆分かってると思うが、今回のオーディションの合格者は一人だけだ。
予選を勝ち抜いて最終選考に残った6組。どれも、良い出来だった。では、行くぞ・・・。」
何となく私の中でドラムロールがなっていた。
「2番の秋月律子だ!後は残念だったな。」
発表で自分の名前を聞いた瞬間、プロデューサーの顔を見た。遅れてプロデューサーもこっちを見る。
「おめでとさん。」
「人事みたいに言わないで下さい。」
「私じゃない。律子なんだから人事だろ?」
私は笑いながら言うプロデューサーに思わず飛びついていた。
「ありがとうございます・・・。」
呟くように言った。
「自分におめでとうとも言ってやれ。んじゃ、打ち合わせしてくるからな。」
そう言うと、私を引っぺがして早々に打ち合わせに行ってしまった。何ていうか素っ気無い・・・。
「でも・・・。」
本当に私ルーキーズに受かっちゃったんだ・・・。
感無量だった。
始めた当初はオーディションに落ちるまでって冗談交じりにプロデューサーと言っていたけれど、
ここまで一気に来ちゃった・・・。
他の皆みたいに最初から目指そうとは思っていなかったけれど・・・。
ここまで来たら行ける所まで・・・あの人と一緒なら・・・。
私はプロデューサーの背中を見ながら少し微笑んでいた。 



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