輝く冷たき地に

作:アメジスト

12月23日。今日も冬関連の仕事がさらに加わって忙しい
「おはようございますー。プロデューサー」
「お、機嫌いいようだな雪歩・・・
実は今日はこの季節にぴったりな場所で撮影の仕事が来てるんだ!」
「え?ぴったり・・・ですか?もしかして・・・」
「ああ、『スキー場』に行くぞ!」
「や・・・やっぱり・・・もしかして、滑る所とか撮るんですか・・・?私できませんよぉ・・・」
「いや、担当の人もそれくらい考えてるだろうから。スキー場は背景。」
「それくらい・・・ってひどいですぅプロデューサー!」
「ははは。まあ仕事もそれだけじゃないしそれだけじゃないし。
とりあえず、あと1時間半だから、準備しておいてくれ。」
―――30分後―――
「準備、終わりました!」
「よーし、あ、でも今回は何日かかけるから、泊まるなりのものも用意したよな?」
「あ、じゃあ着替えと・・・お気に入りのお茶葉用意してきますぅ〜。ついでだからシャベルも・・・」
(ズルッ)
―――さらに50分後―――
「今度こそ準備終わりましたー。」
「よ・・・よーし、今度こそ出発!」

―――バス内―――
「・・・ところで雪歩。妙に荷物多かった気がしたんだが・・・何もってきたんだ?」
「えっとですねぇ、着替えとシャベルと、ポエムノートと・・・
茶道道具も持ってきましたねー・・・あとは・・・ないしょです」
「えー。気になるな。教えろよー」
「少し考えればわかると思いますよプロデューサー♪」
「んー・・・防寒着は服に入るからな・・・うーん・・・シャベルももってきてるくらいだから・・・
かまくらに使うロウソクとか?」
「あー。それもいいですねぇ。買えるところがあったら買いましょうか。
プロデューサーと二人っきりであったかい雪の空間とか・・・」
雪歩が想像し始めている気がする。
「・・・おーい?雪歩。もうすぐ少しだけサービスエリアで休憩できるけど、行くか?」
「あ、はい。バスの中じゃお湯使えませんしねー。お茶菓子も買ってきちゃいますー」
そういうって、バスが止まり雪歩は珍しく走って売店まで行った。そして戻ってくる 


「プロデューサー。ロウソクと燭台売ってました〜」
「・・・随分と変なサービスエリアだな・・・本気でやる気か?」
「はい。かまくらの中でのーんびりするの、昔よく想像してましたね。」
「へぇー・・・本当に出来たらいってくれよ」
「本当にってそれはひどいですよプロデューサー」
笑いながら話してて、しばらくすると、雪歩は眠っていた。
上着をかけておいて、ついでに俺も軽く寝ることにした・・・
・・・・・・・・・・
「おい、雪歩、ついたぞ。」
「むにゃむにゃ・・・プロデューサー・・・私だってちゃんと・・・べれるんですよぉ・・・」
あれ、俺の夢見てくれてる?なんか照れるなー・・・っと、今はそうじゃない
「おーい!雪歩ー。着いたって!!」
「ひぅ!・・・あ、つきましたか・・・?」
脅かしてしまったようだ・・・大丈夫かな。今日
「わぁー・・・」
俺たちが見たのはあたり一面雪景色。
ここらへんに来ることはたまにあったが、この時期に来るのは初めてだ
「雪歩、そんなに珍しい感じするか?」
「はい、家の近くで降るのは見るときもあるんですけど。
こんなに降って積もってるのははじ・・・は・・・はっくしゅっ!」
「おいおいその格好じゃ寒いに決まってるだろ。はいコート。」
「あ、はい。ありがとうございます!・・・それにしてもすごい雲ってますけど、大丈夫しょうか・・・」
「意外と山の天気は変わりやすいよ。
晴れ晴れっとしてたのが急に雲が着てすぐ吹雪いちゃったりとかさ」
「へぇ〜。そうなんですか〜。」
「じゃあ泊まる所行くぞー。撮影は明日だから、ゆっくりしてるといいぞ」
―――温泉宿―――
「わぁ、和室ですねー。一人部屋でこれは広いかなぁ?とりあえず・・・」
そうして私は机をどかして、持ってきた道具を一気に広げる

「とりあえず雪歩に明日のスケジュール言っておくかー。おーい雪・・・」
扉を開けたときには既にこの部屋の中は静寂とわびさびの雰囲気で完璧に満ちていた。
(・・・パタン)
「ぇーっと・・・後ででいいか」
―――30分後―――
「・・・そろそろ大丈夫かな?おーい雪・・・」
「銀世界の・・・」
雪歩が静かにポエムを書き込んでいる・・・
この部屋の雰囲気に俺が入り込むのは不可能になりつつあるのか・・・?
「最期の一言・・・思い浮かばない・・・」
―――さらに1時間後―――
「今度こそ大丈夫でありますように・・・おーい雪歩ー」
「あ、はいー」
今度は雪歩がダンス・・・の練習をしてる
「お、熱心だなー」
「あ、ありがとうございます・・・少しでも慣れてないと、本番転んでしまいそうな気がして・・・」
「ふーん、ついでだし、この部屋で本当に軽くだけどレッスンしてみるか?」
「え?いいんですか?ありがとうございます!」
―――1時間後―――
「完璧に行けましたー!ありがとうございます!」
「いやいや、じゃ、明日ちゃんとやろうなー」
ふぅ。思いもがけないレッスンができたなー。今日はなかなかいい日だったかもなー
そう思って俺は部屋でどしっとつく。もうすぐ夕飯だ・・・ん?何か忘れてるような・・・あ
ダダダダダダ・・・
「ゆ、雪歩!」
「うーん・・・こんな感じでやるのかなぁ・・・」
「ゆ、雪歩・・・??」
「あ・・・あ・・・プ、プロデューサー?」
(サッ)
えらくしまった、という顔をしてるが・・・今のポーズなんなんだ?
「どうしましたプロデューサー?」
「あ、いや明日のスケジュールさっき言おうと思ったんだけどすっかり忘れて・・・」
「あ・・・そ、そうですか・・・あの、いつからはいってました・・・???」
「ん?ちょうど今来たところだけど」
「そ・・・そうですか・・・」
なんか、怪しいな・・・微妙にそういえば何か隠してたような・・・
そして、夕飯も終わり、明日は9時からなので、
臨時の1時間だけのレッスンができた雪歩はすぐ眠りに行ってしまった。 


―――次の日:朝の8時半―――
「さて朝食も済んで準備をさせたわけだけど・・・なんなんだその荷物は・・・」
「ええっと・・・ないしょです・・・」
「・・・少し減らしてくれないかな?活動に支障が出そう・・・」
「は・・・はい・・・」
―――10分後―――
「・・・で、雪歩、荷物は減ったけど・・・その格好は・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「し・・・して見たいなら3時ごろ少し空いてる時間あるからやってもいいんだけど・・・」
「は・・・・・・・・・はい・・・・・・」
雪歩は・・・なぜか毛糸の帽子にスキーウェアを着てきたのである。
撮影の時は着るが雪歩は私物で持って着てた。でも今は普通の格好でいく予定だから・・・
「と・・・とりあえず、普段の格好で来てくれないか?ウェアはこのケース入れておくから・・・」
「あ・・・はい・・・」
―――さらに10分後―――
「じゃあ、行くか」
「あ・・・はい・・・」
・・・ちょっと雪歩はへこんじゃってるようだ・・・昨日の格好は・・・
まさかスキーっぽいすべりかたのつもり・・・???

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「雪歩・・・やりたかったのか?」
「はい・・・あの、無理だとは思ってたんですけど、一度だけでも・・・やってみたくて・・・」
「ふーん。俺も前よくやったなー・・・ついでだし見てやろうか?」
「え・・・そんなことまで頼めませんよぉ・・・」
「大丈夫だって!俺も久しぶりにドカーンってすべりたいしな」
「ええ!そ・・・そんな・・・え・・・ええと・・・ありがとうございます!」
「萩原さーん。そろそろ撮影始まりますよー
「あ、はい。わかりましたー。」
そして雪歩が撮影に入った。
優しいその雪山にまぶしい微笑にスキーウェアの厚着・・・なんともいい感じで撮れた。
「よし、2時間は時間空くし、じゃあ道具レンタルしてくるぞ!」
「あの・・・本当にいいんですか?」
(グゥィイーン)
「ああ、えーっと、雪歩と俺の足のサイズは・・・と」
無事、道具もすんなり決まって、チケット購入。
その瞬間そこは綺麗な雪山からスポーツの広場に見える・・・
「す・・・滑れるでしょうか私・・・」
「・・・あのさ、とりあえず見てやるから・・・リフト乗ったら?」
「は・・・はい・・・」
「・・・やっぱり歩きにくいですねこの靴って・・・」
「ああ、そしたら後は板にこう・・・ガチャって体重かければ。ホラついた」
「・・・つきました・・・ああ!」
・・・片方つけると雪歩はすぐ転んだ。
「やっぱり無理ですう・・・それになんか起き上がりにくいです・・・」
「大丈夫だって、ほら、手つかんで」
「あ・・・はい・・・」
俺は雪歩を抱えて支えながら、なんとか雪歩も板をつけることが出来た。
スキー靴の扱いは履かせたこともあるから問題はない様子
「これで・・・どう進むんですか?」
「平地だからこう・・・逆のハの字にしながら片足をあげて前に出して力を入れて、
もう片足も同じことを繰り返して・・・それの繰り返し。」
「ええっと・・・こう・・・ですか???・・・全然動きませんけど・・・」
「雪歩・・・板平行だよ。だからここをこう・・・」 


(10分後)
「うまく動きましたあ!」
「よし、その調子でリフト乗りに行くぞー・・・あ、やりにくい場所はストックでやればいいぞ」
「えー!早く言ってくださいよぉ・・・」
「ストックは意外と疲れるぞー。よし、ホラ前に進んで線のところで止ま・・・あ」
「と、とまりませええん!」
・・・そして雪歩は見事にリフトを止めた。
「す・・・すいませんすいません・・・私なんて・・・穴掘ってますう・・・埋まってますう・・・」
「ま、まったまったまったまった。
ほら、初心者にはよくあるからさ!ああ!
こんな所で掘ったら他の客の迷惑になるって!おい!」
(2分後)
「とりあえずリフトにのれたのはいいんだけどな・・・」
(ガクガクガクガク・・・)
「・・・おーい?ゆきほー?だいじょうぶかー?」
「だ、だ、だ、だ、だいじょうぶです!!」
「・・・なんだか俺の小学校の頃思い出すなあ・・・」
「しょ、小学校の頃ですか!?????」
「ああ、あの頃も俺リフトに乗るのがこわくてなー・・・親にこんな風につかまりながらして」
「プ、プ、プ、プロデューサー????」
「あ、ああごめんつい。無意識に・・・まあ最初はこんなもんさー」
「私が・・・子供っていうんですか?」
「そ、そういうわけじゃないけど・・・」
「そ・・・そですか・・・けど、やっぱり・・・その、つかまっていいですかぁ・・・・・・」
「え・・・い、いいけど・・・」
・・・・・・・・・・・・・・
「雪歩ー、そろそろ降りるぞ・・・」
「あ・・・はい!」
「えっとな、まずこうスキーの先を上げて・・・そう、んでもって、もうすぐ地面につくから、
そこの赤い線についたらバランス保って立ち上がる・・・そうそう」
「わ・・・私だってそのくらいならできますよぉ・・・」
「おい曲がれ!ぇぇっと・・・と、とりあえず止まれ!足をハの字にしろ」
「ええ!?・・・あ・・・とまりました・・・」
「とりあえず、少し進んで平らな所行くぞー」
・・・・・・・・・・・・・・
「うう・・・やめとけばよかった・・・」
「雪歩・・・言わしてもらうけどゆるやかもいいところだぞこのコース・・・」
「は・・・そ・・・そうですか・・・」
「と・・・とりあえず説明しておくとな、なれないうちはさっきみたいに軽くハの字にして。
ゆっくりすべるから。それで曲がる時は曲がる外側の足を・・・」
・・・・・・・・・・・・・・
「だ・・・大体わかりました!・・・あの・・・ちょっとだけ、時間もらえませんか?」
「い、いいけど・・・ここで何するんだ?さすがに茶は飲めないぞ」
「ち、違いますよぉ・・・たしかに持ってきましたけど・・・」
「ああ、なんだ、シートしいたりするんじゃないのか。・・・って何やってるんだ雪歩。
オイ!掘るなよ!崩れたら大変なことになるんだぞ!おい!」
「テ・・・ン、・・・マク・・・、だいじょ・・・」
・・・雪歩は掘った穴に向かって何か言ってるけど・・・ほとんど聞き取れなかった 


「・・・・・・・・・・・・・・雪歩、もういいんだな」
「は、はい!じゃあ、行きましょう!」
そして二人で一気に滑り出す。
俺は外向傾を駆使しながらスムーズにパラレルターンをする・・・晴れた空に向かい来る風が・・・
「ああ!」
・・・そして俺は現実に引き戻された
「雪歩!?どうしたー!大丈夫かー!・・・」
・・・普通にこけてた。まあ仕方ないか。
「大丈夫でぇーす・・・よいしょっと・・・」
「・・・あれ?雪歩・・・お前・・・」
よくよく見る。リフトからの距離を考えると雪歩とそんな距離がない
「・・・結構早く滑ってる?」
「そうですか?足の形ああしてると・・・なんだかすぐ疲れちゃいそうだったんで・・・
少しだけ開いてたんですけど・・・」
「意外だな・・・雪歩がこんなに滑ってたとは」
「そ・・・そんな言い方、ひどいですよー!」
「いやいや、すごいよ。あの時の俺よりずっと滑ってる。」
「え・・・そ・・・そうですか?」
「結構いけるかもよ。バランスに気をつけてやってみろよ」
―――2本目突入リフト―――
「・・・またつかまるのか?」
「はい・・・その・・・怖いですから・・・」
―――3本目―――
・・・誉めて伸ばしてみようと思ってたけどまさか・・・
「プロデューサー!いい感じですぅー♪」
ダンスで少し鍛えられた意味があるとはいえ・・・ボーゲンだとはいえ・・・
雪歩、きっちり曲がってるし、もうこんなコース気がつけばゆっくりだけどらくらくになってる
本当に雪歩なのか・・・?
スキーもバランス感覚があれば力はそこまでいらないってのもあるのを考えても・・・
「プロデューサー!あのー」雪歩がこっちに近づいてくる
「わ!雪歩ちかいちか・・・って板がわぁ!」
板がぶつかり合って二人同時に倒れてしまった
「いたた・・・うう・・・すいません・・・大丈夫ですか?」
「・・・大丈夫だけど雪歩がどいてくれないと起き上がれないけど・・・」
「え・・・あああ!!ええっと・・・す、す、す、すいませんすいません!」
・・・たしかにこんな場所でもない限り誤解されるフォーメーションだな・・・
そして二人とも体制をちゃんと立て直す。
「・・・で、雪歩?何か言いたかったんじゃないの?」
「あ、はい。えーっとぉ・・・プロデューサーの滑り方ってどうやってるんですか?
綺麗に足そろってるのにしては、あんまり速くない感じで・・・」
「結構夢中になってるな・・・えっとな、これはパラレルターンって言って・・・」
―――説明終了。さらに5本後―――
「こ・・・こんな感じで・・・ああ!」(ズテッ)
「よし!ちょっとだけ感じだったぞ!
もっと、肩から内側につっこむ感じなら・・・っていつの間に特訓になってるんだ?」
空を見る・・・もう曇ってる。(チャララーン、チャラララー)・・・携帯が鳴る
「はい・・・○○(P名)です」
「あ・・・すいません。こちらの方で不都合がありまして・・・
午後の撮影は明日にまわることになりまして・・・」
「はあ・・・じゃあ午後は完全にオフと・・・」
「プロデューサー?ちゃんと見てくださいよー!」 


―――またさらに2本後―――
「こ・・・転ばずに行けました!!」
「・・・信じられないな・・・全くの未完成形でも・・・お前雪歩に変装した真だったりしないよな?」
「・・・違いますよぉ・・・」
「・・・あはは。まあ10本もやって疲れたろ。そこで休んだ方がいいんじゃないか?」
「え・・・もう10回もやってたんですか?」
「ああ。とりあえずそこの休憩所にでも入るか?」
「えー・・・まだ少しできそうですよ?」
「茶、冷めるぞ。わざわざ煎じたて持って着てたのに」
「あ・・・そ、そうですね・・・」
そして一息。俺も自販機で買った缶コーヒーをすする
「あれ・・・体が・・・」
「あるある。滑ってると夢中になるんだよな。
で、こう休むとどっとくるんだよ・・・明日にも響くから無理はするなよ」
「はい・・・」
―――10分経過―――
「ふぅ・・・」
「・・・どうするか?10分経ったけど」
「今度、あのゴンドラ乗りませんか?」
「んー、中でも少し休めるしなー。」
「そうじゃなくて、中から見る景色、綺麗そうじゃないですか」
「あ、なるほどな。・・・えーっと、あのゴンドラ5時半までで・・・・・・雪歩!乗るなら急げ!!」
「え?だって今5時・・・20分・・・あああ!」
「急げ!」
・・・・・・・・・・・・・・・
「はあ・・・はあ・・・はあ・・・はあ・・・はあ・・・もう・・・走れません・・・」
「・・・乗るの止めるか?」
「いえ・・・乗ります!」
「じゃ板とストック持つから・・・よし、行こう!」
・・・・・・・・・・・・・・・
「よし、なんとか間に合・・・って雪歩???」
見事にずっこけてる。・・・寸前まで着てほっとしたのかなんなんだか
「す・・・すいませーん・・・」
のこのこと上がってきちゃってる
「あのー・・・終了時間になるので早くお乗りに・・・」
「ちょ、ちょっと待ってください・・・おーい雪歩ー・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・
「はあ・・・はあ・・・」
さっきから雪歩はずっと肩で息をしているけど・・・
「ほら、動き出すぞ雪歩」 


そしてゆっくりと動いてたゴンドラは動き出すと一気に動きを早め上の方向へ上り始める・・・
「・・・わあ・・・」
既に、辺りは暗くなっている・・・そして町も明るくなっている・・・
少し上がるとそれがいっそう広がって、高くから見える・・・綺麗だ
「綺麗ですねー・・・」
「そうだな・・・けど、おい雪歩、ゴンドラじゃ落ちる必要なんてあるわけないだろ」
「怖いですよ♪」
・・・なんだか珍しくいたずらっぽく言われてるような気がするけど・・・
そのまんま雪歩はしがみついてくる
・・・非常に長い時間に感じるままどんどん高く、そして時はゆっくり刻み続ける・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
「雪歩、もうそろそろだよ」
「もう少し・・・いいですか?」
「・・・いいよ」
・・・間を持たずガコン・・・という感じがしては風景は建物に吸い込まれていく
「おーい・・・さすがにおりるぞ」
「はい」
そしてゴンドラを降りて、板を持っては外に出る・・・
「・・・結構寒くなってますね・・・」
「ああ・・・かなり厚着に加えてウェアきたつもりなんだけどな・・・」
少し歩いて、この山の最頂点から町を見下ろす
「綺麗ですね・・・あ。」
曇ってたかと思うと・・・暗い空と明るい町を背景に降り注ぐ白い輝き・・・
「わあ・・・」
「・・・・・・・・・」
とても綺麗なその光景に・・・心の底から響いている・・・
気がつくと・・・雪歩は俺に縋っていて俺は雪歩の肩を持っていた
「プロデューサー・・・」
雪歩が俺の顔をのぞいてくる・・・俺もそっちの方を向こうとすると・・・


じと〜〜〜〜〜

こちらをしっかり、見ている人がいる。そりゃ雪歩が有名なだけにじーっくり見ている。
そして俺はしっかり引き戻された
(あ、雪歩・・・ここでは少しまずいよ・・・しっかり見られちゃってる・・・
恥ずかしいから、ちょっと・・・)
(・・・え?あ・・・ああああ!
ど・・・どうしましょう・・・こんなことしてるだけでも・・・恥ずかしいですぅ・・・)
(う・・・任せろ!)
「だ・・・大丈夫だってぇ!見えるほど急じゃないからここも!!」
「え・・・あ・・・そ・・・そうですか・・・」
「う・・・うん!そうそう!絶対できるってば!」
(あ・・・ちょっと肩叩くの強いですよぉ・・・)
「ほ・・・ほら、いくぞ!履いて履いて!」
「は・・・はいぃー!」
・・・そういうと見てた人は予想外にも滑ってったが・・・既にちょっとムードが落ちてた 


「えーっと・・・」
「はい・・・」
「行こうか・・・」
「はい・・・」
そして先に俺が滑って下から端のほうで雪歩を見守る
「・・・うわ!ここひどいアイスバーンになってるな・・・こけるところだった・・・」
「プロデューサー!ちょ、ちょっと進むのが速いですぅ〜・・・」
「あ、雪歩!ちょ、こっちに来ちゃダメ!バーンが!」
「え?あ・・・あれ?ああ!!??」
「うわ!」
・・・雪歩はバーンにひっかかって俺に激突した・・・
次の瞬間何が起こってるかしばらくわからなくなってた



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「・・・あれ?なんで板が・・・あれ?これってさっき雪歩さんが履いてた板じゃ・・・」
滑ったばかりの場所を見る。そこには誰もいない・・・ストックも送れてすべり転がって来ている。
もう少し上を見るとさらに2本スキー板も流れて来ている
「・・・・・・・・えーっと・・・もしかして・・・大変!!!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 


・・・何が起きたかわからずやっとふらつきかけてた意識がハッキリした時・・・そこは暗くなってる、
雪が強く振る見覚えのない場所だった
「あれ・・・雪歩・・・雪歩!!」
「・・・・・・・・・あれ・・・プロ・・・デューサー??」
「しっかりしろ!おい!」
「・・・えと、大丈夫です・・・ちょっと足が痛いけど・・・」
雪歩の足元を見る・・・板が片足にだけついている
「どこかで打ったのかな・・・たしか・・・えっと」
「プロデューサーとぶつかって・・・気がついたら・・・」
「・・・そうだ・・・転げ・・・いや、滑り落ちてたんだ・・・てことは・・・」
周りを見上げる・・・急で、はるかに高い所に・・・
「・・・これだけですんだだけでも十分幸運というか・・・上に上がれそうにないな・・・」
そして俺は携帯を取り出す・・・時間を見ると5時50分・・・ゴンドラを降りてからそんなに経ってない
・・・しかし、圏外に鳴っている・・・
「しまった・・・このゲレンデコース外は圏外なんだ・・・」
「ど・・・どうしましょう・・・私・・・う、うう・・・」
「ゆ・・・雪歩、泣くなよ!・・・どうにかするか・・・考えなきゃ」
「む・・・無理ですよ・・・私なんかがいたらプロデューサーまで・・・うう・・・私のせいで・・・
プロデューサーまでこんな目に・・・私なんか・・・私なんか・・・」
・・・いつも以上に雪歩は自分を追い詰めてる・・・
「・・・雪歩!」
「私なんて死んじゃえばよかったんですぅ・・・!!」
「雪歩!」
俺は雪歩のことを抱きとめた
「え・・・プロデューサー・・・?」
「雪歩・・・俺と最初に話し合った時の事忘れたのか!?絶対に俺が雪歩を助けてあげるって!
俺はな、雪歩が・・・第一になんともなくて・・・それだけでも安心できたところだったのに・・・
何が死ねばいいだよ!誰よりも大切なお前が・・・死ぬなんて言うなんて・・・俺は・・・」
「プロデューサー・・・」
「うう・・・」
俺が涙を流しながら・・・吹雪の音だけの短い沈黙が流れる
「ありがとうございます・・・すいません・・・」
「・・・雪歩?」
「私も・・・プロデューサーがいてくれる時に死んじゃうなんて・・・絶対、嫌です」
「雪歩・・・」
「・・・行かなきゃダメですよね・・・私、頑張ります!」
「・・・ありがとう雪歩」
「え?」
「いや、・・・寒くないか?」
「大丈夫です・・・なんだか、とってもほかほかしてる感じです」
「雪歩・・・じゃあ、行くか・・・!」
「はい!」 


「たぶんこっちの方がゲレンデの下のほうだから・・・行くぞ」
「はい!・・・あの・・・またつかまってもいいですか?」
「ああ、いいぞ。」
雪歩がしがみつきながら、雪歩の1本だけの板を持ち・・・歩いていく・・・
歩いて歩いて・・・とても長い・・・不思議といやでない時間の間・・・そして・・・
「・・・あ、いたぞー!!大丈夫ですかー!!」
前方からスノーモービルの光が見える・・・
「雪歩・・・俺たち助かったみたいだぞ・・・」
「あ・・・」
雪歩は何も言わずにしがみついてた手を抱きに行った
「ゆ・・・雪歩・・・ホラ、見られてるし・・・」
「はい・・・でも、今はこうさせてください・・・」
そして・・・スノーモービルにのった俺たちはゲレンデ入口までと向かって行った・・・
雪歩にずっと抱かれたまま・・・

・・・俺は軽い凍傷で済んだが雪歩はさらに足をいくらか足に軽傷があって
しばらく部屋で安静にすることになった。





―――事故後。9:00―――
「雪歩、入るぞ」
「はい。」
「ホラ・・・入れ方下手かもしれないけど、雪歩の持ってきたお茶、入れてやったぞ」
「あ・・・ありがとうございます・・・・・・・・・・・・・・・・とってもおいしいです」
「ありがとう・・・雪歩に美味しいって言ってもらえるんならうまくできたかな・・・
それと、これ・・・おめでとう」
「あ・・・今日って私の・・・覚えててくれたんですね」
「俺は雪歩のプロデューサーだぞ?忘れるものか」
「プロデューサー・・・その・・・今日は、本当にありがとうございます」
「いや、俺からも礼をいいたいよ・・・」
「私・・・プロデューサーに勇気付けてもらえて・・・あの時何も怖くなかった感じしました」
「・・・俺は・・・あそこで雪歩がいなかったら・・・俺だって諦めてたかもしれない・・・」
「プロデューサー・・・」
沈黙が流れ・・・俺が雪歩をそっと抱くと雪歩もゆっくり俺を抱えて・・・、
顔を寄せ・・・唇を重ねあった・・・長く・・・長くの間・・・
今・・・この部屋の二人の雰囲気に、誰も入れさせない、誰も入れない・・・

入り込めるのは・・・
窓の外の、時には激しく降り、さらに俺たちを燃やした、今は優しく降る雪だけ・・・ 






銀世界での
激しく振り行く
雪の粉に 
黄金色にと 
輝くその人 
今に私と 
重なれば・・・


雪の粉は 
激しく振りては 
さあ燃やし 
燃え続けては 
優しく振りて 
そして二人を 
永久の火に・・・ 



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