こなゆきあふたーないと

作:名無し@はげしく

「おはようございま…うわっ、なんだこれ!?」
 事務所の扉を開けると、そこには見るも無残な光景が広がっていた。
「あ、おはようございます二人とも」
「あ、あの…夕べはいったいなにがあったんですか…?」
「とりあえず、片付けとか手伝ってもらえると助かります…」

 DayTimerを三つほど消費したころにみんなが起きた。
すると、春香がおもむろに口を開いた。
「あ、今日もクリスマスパーティやりますから。だからその飾りとかは外さなくていいですよ」
「ほら、昨日は人が足りなかったから。
今日なら全員揃うしじゃあまたやろう、ということになったんです」
 あ、そうなんだ。みんな気を使ってくれてるのか…なんか小鳥さんが浮かない顔をしているけど。
「そういえば二人とも、ちょっとこれ見て欲しいんだけど」
 そういって律子がテレビをつける。
そこに映し出されたのは、録画された昨日の雪歩がでている番組だ。
「ここのさ…『この日は私の誕生日なんです』って、おかしくない?」
「…え、でも昨日は雪歩の誕生日なんだろ?」
「じゃあここは、『今日は私の誕生日なんです』じゃないかしら?」
 ――あ。

 ちょうどそのとき、扉が開いて二人の女性が姿を現した。
「おはようございます、皆さん」
「おはようございまーす。あ、雪歩ちゃん。ごめんなさいね、昨日は気付かなくて。
まさか変装しているなんて思わなくて」
「ちょ、あずささん!?」
 ――見える。みんなの視線が俺と雪歩を貫いているのが。
さすがはあずささんだ、やってくれる。千早の気遣いももはや意味を成さなかった。
「ほうほう…実は昨日、顔をあわせていた、と」
「ほんと、どこで会ったのかしらねぇ、にひひ」
「…なあ雪歩、クリスマス会というと、プレゼント交換とかあったよな?」
「は、はい!あ、ありました、よねぇ…」
 その手をとって引っ張る。
「よし、今からそのプレゼントを買いに行くぞ!という訳でみんな、いってくる!」
「え、ちょっ、ひゃあぁぁぁぁ…」

 二人で飛び出した、外の空気はまだ冷たくて。
…でも、この繋がった手のぬくもりはそれさえも忘れさせてくれるから…。

 終わり。 

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